金継ぎに大物登場 その1
12月31日のこと
由希子が朝からプライベートキッチンの掃除に精を出していたところ…
ガチャン!…
あっ!
合歓さんのカップが!
キッチン台の拭き掃除をしているときに引っ掛けて、落とした様です
見ると、バラバラ…
しばし絶句…
合歓さんの器、大事にしていますからね
そして、思わず
「でかした 金継ぎやれるじゃん」
って思っちゃいましたよ
今の僕は、器が割れても復活させることができうる
これはよい練習になります!
ってことで、割れた器を集めてみました
うん、バラバラですね
11個に分解しています
ただ、幸いなことに持ち手のところは無傷
持ち手は一番力がかかるところなので、ここが折れるとちょっと厄介
ここが無事なので、強度的には全く問題なく復活できそう
金継ぎは「うるし」を使います
うるしって、漢字で書くと「漆」
樹木なのに「さんずい」なんですよね
以下に特殊な樹木なのか、漢字からもわかります
漆は乾くと、極めて強固な接着力を発揮します
おそらく、天然素材の中では最強
金継ぎは、この漆の強力な接着力を利用して器を補修していきます
漆はちょっと特殊な化学変化によって、乾き、固まります
普通、「乾く」っていうのは「水分が抜けて固くなる」イメージでしょ?
漆は全然違って… 以下、本「ゼロからの金継ぎ入門」からの抜粋
(↑金継ぎに興味のある方には、この本おすすめです)
漆の硬化方法は「酸化重合」と呼ばれる化学変化です。
樹液に含まれる「ラッカーゼ酵素」の銅イオンが、水分中の酸素を取り込んで主成分のウルシオールを酸化させ、これにより高分子結合が起こり硬化します。
水分や油分が抜けて硬くなる、いわゆる「乾燥」とは全く仕組みが異なります。
この酸化重合を効率的に誘発するためには20度前後の温度と70%以上の湿度が必要となります。
ってことで、漆は硬くなるのに温度と湿度がいるんですね
ほんと、知れば知るほど不思議な樹液
さて…
作業開始の第一段階、まずは下地作りから
割れた断面に「漆+テレピン油」を塗っていきます
漆は粘っているので、そのままだと塗りにくい…
なのでテレピン油でゆるくしてから、断面に漆を塗ります
これだけ数があると、これだけでも時間かかるな…
う〜ん
楽しいぞ〜
漆は硬くなるのに時間がかかります
なので初日の作業はここまで
これを室(ムロ 濡れタオル等を入れ、湿度を高めた箱)に入れて放置、硬めます
僕のムロは…
大きなタッパーに、「湿らしたティッシュ」&「100均で買った温度&湿度計」を入れたもの
めっちゃ簡易ですが…
暖かい場所に置いているので温度は20度ぐらい
湿度も70%前後あるので、バッチリ笑
よく固まります
次の日… って、元旦ですね笑
割れた器をジグソーパズルの様に組み立ててみました
おお、こんな感じね
中から見ると…
おお、なかなかの割れっぷりですなぁ
ワクワク笑
どれとどれが組み合わさるのか…
どの順番で組み立てていくのか…
を見ながら決めていきました
んで、マスキングテープで印を書き込み
こんな感じ
いよいよこれを接着していきます
ですが…
漆って、皮膚につくとかぶれるんですね
これだけ小さい破片に漆を塗るとなると…
絶対手についちゃいます
かぶれるのは嫌なので、手に密着するタイプのピタピタ手袋を買ってから、と判断しました
しかし、今日は元旦
さすがにお店がやっていない…笑
ので、ここから先はまた後日