「周りに合わせる 問題無し」

万晴です。
最近僕ばっかり書いて由希子は全然ですので、いい加減この書き出しやめようかと思ってきました。
さておき。

気になる記事がありました。
少々長いかもしれませんが、興味深い内容です。

その中でもっとも印象に残った文章が以下の文章。
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韓国地下鉄火災事件における「多数派同調バイアス」と「正常性バイアス」

 2003年2月18日午前9時53分、通勤ラッシュが一段落したした韓国・大邱(テグ)市、中央路(チュアンノ)駅で地下鉄放火事件が発生しました。この事件で約200人の尊い人命が奪われてしまいました。
 事件後新聞などで公表された中に、地下鉄車内で乗客が出火後の状況を写した写真(左)がありました。煙が充満しつつある車内に乗客(10人くらい)が座席で押し黙って座っているという不思議な写真でした。
 これを見てまず「なぜ逃げようとしないのだろうか」と疑問に思いました。そして、これは「多数派同調バイアス」(majority synching bias)と「正常性バイアス」(Normalcy bias)によって非常呪縛(Emergency spell)に支配されてしまった結果であろうと思い至りました。

 バイアス(bias)というのは、心理学的には「偏見」「先入観」「思い込み」などと定義されています。「多数派同調バイアス」と「正常性バイアス」は認知バイアスの一部と認識されていますが、私は緊急時における「非常呪縛」(Emergency spell)とよんでいます。特に災害や事件などの非日常の状況が発生したときの「無思考状態」に陥ったときや、あれもこれもやらなければならないと思ったときに「優先すべき行動が混乱しわからなくなってしまう」ときなどに顕著に見られる現象です。
 煙が駅と車内に充満したとしたら、心の警報が鳴り響き、客観的には直ちに避難するなどの緊急行動をとると思うのが自然です。しかし、過去経験したことのない出来事が突然身の回りに出来したとき、その周囲に存在する多数の人の行動に左右されてしまうのです。それはその人が過去様々な局面で繰り返してきた行動パターンでもあるのです。
 どうして良いか分からない時、周囲の人と同じ行動を取ることで乗り越えてきた経験、つまり迷ったときは周囲の人の動きを探りながら同じ行動をとることが安全と考える「多数派同調バイアス」(集団同調性バイアス)という呪縛に支配されてしまうのです。

 こうした心理が同じ境遇に陥った乗客同士にも働いたものと考えられます。加えて、こんなことは起こるはずのない信じられない出来事と捉え、リアル(現実)ではなくヴァーチャル(仮想)ではないかという心理が働き、異常事態というスイッチが入らない状態、つまり「正常性バイアス」が働いてしまったものと思われます。
 ある番組で、この写真に写っていた人のうち助かった若者を探しその時の心理状況を聞いたところ「最初は、まさかこんな大変な火災が発生していたとは思わなかった」「みんながじっとしているので自分もじっとしていた」と話していました。まさに、正常性バイアス、多数派同調バイアスという非常呪縛に縛られた結果だったのです。
 「その後、誰かが火事だと言ったので、慌ててガラスを割って逃げて助かった、ほかの人のことは分からない」とのことでした。このように集団の場合ほど「非常呪縛」(Emergency spell)に陥りやすく逃げ遅れる可能性が高いのです。
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非常に興味深い文章でした。

僕の理解を通して思いつく事をまとめてみると…
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人は状況によっては「偏見」「先入観」「思い込み」を持ちやすい心理状態になる。
数々ある「状況からくる心理状態」のなかに、以下のようなものがある。

同調しようとする心理状態(多数派同調バイアス)
自分以外に多数の人間がいた場合、とりあえず多数派に合わせておけば安心という心理状態

正常なんだと思い込む心理状態(正常性バイアス)
異常事態に遭遇しているにもかかわらず「こんなはずはない、正常なんだ」と自分に言い聞かせ、異常事態であるという認識を抑制しようとする心理状態

他者と円滑な関係を保とう、築こうという思いから同調する心理、
問題があっても落ち着いて対処しようとし、危機感を抑制する心理、
どちらも社会生活を営むためには、大切なことではある。
大抵のことはこれで乗り切れるっちゃあ乗り切れる。

しかし、いわゆる本当の緊急事態、生死に関わるような大きな異常事態になったときに、この心理状態にゆだねて判断をしていくと、認識を誤り、望まない最悪の結果になっていってしまう可能性がある。

人は「みんなに合わせていれば大丈夫だろう」「自分にはやばいことは起こらないはずだ」と思いたがりたい動物。
危機になればなるほど、そう思い込みたくなる心理状態になりやすいらしい。

「人は「自分だけは死なない」とどこかで思い込みやすい」
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僕にとっては今の社会は、福島第一原子力発電所の事故を筆頭に生死に関わるような異常事態が勃発しまくりなのですが、そういう認識の人が思ったより少ないという実感があり、これがとても不思議でした。
日本人は正常性バイアスと多数派同調バイアスが強い国民性だという意見もあるようです。

「津波警報が出ても、避難せずに逃げ遅れてしまった人」と
「震災後、コンビニに整然と並ぶ人々」と
どちらも同じ心理状態、バイアスからくる結果なのだ、という視点が生まれます。
「民度の高さ」なのか、「バイアスからくる反射行動」なのか…
 はっきりとした線引きは難しいかもしれません。

少し謎が解けてすっきりしました。
これを知ったからといって、即問題解決には至りません。
しかし、この認識をふまえる前と後では社会認識の仕方が異なると思います。

自分も含め「人はそう思いたがるものだ」という前提で、ことをとらえる…

防災意識が高まるのはもちろんのこと、日々の活動の覚悟というか、心構えが変わるような気がします。
2012.12.09 Sunday  
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